FM三重『ウィークエンドカフェ』2023年6月3日放送

度会郡大紀町野原。
旧七保第一小学校を拠点に野原の地域再生が2008年に始まりました。
今回は『野原村元気づくり協議会 野原工房げんき村』の会長、森本憲生さんがお客様です。

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0歳以上の地元のみなさんを集めて地元学から始まった

初代会長が定年でこちらに帰って来て、区の役員に就かれました。
このままではこの地区が疲弊してしまう、人が減っていく、ということで危機を感じて、当初60歳前後の人を集めて『地元学』という勉強を始めました。
田舎の人たちはのんびりしているというか、危機感も感じていなかったんでしょうね。
その会長がいろいろと危機感を感じた上で、『野原村元気づくり協議会』を作ってくれました。
平成13年に地域の『七保第一小学校』も廃校となり、5〜6年そのままでした。
協議会が発足し、みんなが卒業した校舎があるということで、行政と話をして、ここを使わせてもらうことになりました。
最初は、私たちは正直あまり関心がありませんでした。
しかしこうして勉強を始めると、やっぱり他所の人との交流をしながらやっていかないといけないということで、共に立ち上げをしました。
面白くなってきたというのか、よそから見た野原を見直して、やってみようかと。
元気な人も多かったものでね。

 

瀬さんは全国の市町村会を作り、義務教育の改革にも取り組んだ

最初、地元学から『ないものねだり』ではなく『あるもの探し』をした結果、食と、ここには七洞岳という776mくらいの、みんなから愛される山があって、その登山道を整備したり、出入りしてくれる人たちとの交流体験をしました。
そしてここには七保の偉人である、大瀬東作さんという方がいて、その方のPR活動をしています。
明治、大正からの地主であって、とても優秀な人でした。
35歳で村長を務めるくらいの人でした。
当時の義務教育では、先生方の給料を市町村で払っていました。
しかし市町村がだんだん負担になってくるということで、国庫で出してくれと国に呼びかけたのが大瀬東作さんでした。
現在の義務教育の前の時代です。
あまり知られていませんが、相当優秀な人ですよ。
その時に、自分だけで動いても無理だということで、全国の市町村に働きかけて、市町村会を設立して、自分は副会長になって全国を渡り歩いて話をしました。
その甲斐がありあり、先生たちの給料が国庫負担になりました。
もっと知られても良い人なのですが、今でもまだまだ知られていないので、もっとPRして、広く知ってもらおうとしています。

 

に1回グループが集まって、報告をしていることが長続きの秘訣

続いている秘訣の一つは、月に一回グループの代表が集まって、前月は何をしていたという話をすること。
だから持続性があるのだと思います。
特産品などの食のグループ、来た人との交流体験、七洞岳への登山ルート整備、旧七保小学校跡地利用、『大瀬東作顕彰委員会』という5つのグループに分かれてやっています。
会長・副会長・会計などを配置し、資金繰りなど苦労しています。
先代の会長が2年前に亡くなって、私が副会長していた関係で、そのまま会長になりましたが、人材不足でいま、大変です。
ボランティアなので、なかなか手を上げてくれる人が少ないですね。
設立当初からのメンバーが殆どで、若い人がいません。
後継者を募集しても、なかなか参入してくれませんね。
もっと現代風にしていったほうが良いのかもしれません。
区全体で盛り上がって作った会なので、本当はみんなが意識しないといけないのですが、10年15年たつと、どうしても意識が…。
意識はあるのだけど、自分たちがやるという気持ちが薄いのかな。
会を若返らないといけないのが、一番の課題ですね。

 

曜日の夕方と土曜日の朝、区内放送でPRしている

金曜日にはお弁当を作っているので、営業していますと放送します。
金曜日の夜と、土曜日の朝。
この辺だけですけど。
そうするとみんな、待ってくれています。
顔を見に出てくるんですね、けっこう意識してくれています。
食のグループが毎週弁当を作って、買ってもらっています。
それを目当てに来てくれるんかな。
田舎の味で美味しいみたいですよ。
四季折々。
それから『鹿ちゃんコロッケ』を入れたり、美味しいですよ。
高齢者の方もちゃんと席を見て、雨以外は座ってくれますし。
伊勢から92歳の人が、必ず来てくれます。
以前は車を運転していましたけど、最近は無理だということで、運転手付きで来てくれます。
ここの運営しているおばちゃんの顔を見に、話しに来る人が多いかな。
ここは年寄りの場としては良いのだけど、続けていくためには世代交代をするのが良いと思います。
いま、四苦八苦して呼びかけていますが、忙しいと言われて、なかなか来てもらえないですね。

地元愛ですね。
地元のことの助けになればと思い、活動をしています。